介護 バリアフリー
年齢を重ねてくると運動能力や感覚機能が低下してくるため、家の中の構造によっては転倒・転落などの事故を引き起こしやすいものです。
また、住環境によっては要介護者の行動範囲が狭くなり、介護者の負担が大きくなっているケースもあります。介護リフォームでは、こうした問題を解決することができます。
転倒などの事故を防ぐ
階段や敷居などの段差は転倒を招きやすく、それによって高齢の方ですと骨折してしまう恐れもあります。段差をなくす・手すりを取り付ける・滑りにくい床材に張りかえるといったリフォームで、事故発生リスクを大幅に減らすことができます。
介護する側のストレスを和らげる
動きにくい住宅では、肉体的にも精神的にも介護する人に負担がかかりがちです。介助しやすい住宅に改修することで、余計なストレスを解消させられます。
主なリフォーム内容
手すりを取り付ける
生活の移動ルートに沿って手すりを取り付けると効果的です。十分な広さを確保しつつ、なるべく切れ目がないように設置しましょう。また、どちらか一方の壁ではなく両側の壁に取り付けられればより利便性が高まります。
体重をかけながら移動する場合は、「大転子」という脚の付け根部分の高さに取り付けると移動しやすくなります。実際の動作に合わせて手が伸びやすい場所を把握しておくことも大切です。
段差をなくす
居室と廊下の境目には「敷居」があることが多いのですが、このようなちょっとした段差でも高齢者にとっては障壁になりやすく、転倒の原因になっているのが現実です。また、敷居は高齢者の目にとまりにくく注意しづらいということもあるため、段差は完全になくしてしまったほうが日常生活を送りやすくなります。
トイレのリフォーム
座る・立ち上がるという動作を伴うトイレでは、手すりを取り付けることで動きが楽になります。
トイレの壁の強度が足りないという場合でも、補強板を付けることでほとんどの壁に手すりを設置できます。
便器の高さを変える
一般的な便器の高さは約37cmですが、車いすに対応できる便器では約42cmと少し高めになります。
また、便座の種類によっても高さは変わってきますので、工事をする前にしっかりと高さの確認をしておきましょう。
お風呂のリフォーム
出入り口の段差をなくす
一段下がった床への踏み込みは滑りやすく、また車いすを利用する際には出入り口の段差は大きな障壁になります。段差をなくしておくことで、転倒のリスクや車いすを利用する際の不便を解消することができます。
出入り口を広くする
車いすのまま出入りする・介護者に付き添ってもらって入浴するなどの場合は、出入り口の幅はできるだけ広く取ったほうがよいでしょう。扉は浴室内のスペースを有効に使える引き戸がおすすめです。
手すりを取り付ける
浴室の手すりの取り付けは、位置や形状が重要になってきます。
実際の利用者の動作をよく考慮して、有効活用できる手すりを取り付けるようにしましょう。
浴槽の高さを変える
浴槽に入る際には膝を曲げる動作を伴うので、床と浴槽の高低差が大きいと入浴が大変になります。
なるべく高低差が小さくなるような改修を行ってスムーズな入浴ができるようにします。